フォトカルクとは

写真を用いた計測技術は、100年以上も前に、ヨーロッパで開発され、現在では、航空測量を初めとした多くの分野で広く用いられています。
市販のデジタルカメラを用いたシステムも、近年たくさん発表され、製品として販売されているものがいくつも見られます。
しかしながら、そのほとんどが、数多くの画像を撮影して計算をおこなうもので、マーカーの配置などの作業を考えると、実作業に使用するのを面倒がられるケースが多く、一般的な計測法とはいえないものになっています。
フォトカルクは1枚、もしくは2枚の画像を使い、大型対象物の計測から精密計測まで、高精度な計測を行うことが出来ます。

写真2枚による三次元計測
写真2枚による三次元計測

シングルビュー

たった1枚の画像で計算するものです。但し1枚の画像でも色々なことが出来ます。

平面寸法を測定する 例:部材の幅・ピッチ
立体寸法を測定する 例:鉢の上下部直径と高さ
穴の測定 例:平板穴
面積測定 例:コート
斜め画像の正面変換 例:浮世絵
画像測定 例:クラック検出
距離計との併用 例:遠距離測量

ツービュー

2枚の画像で計算するものです。但し一般のステレオカメラと違って、カメラを固定する必要はありません。任意の位置で、角度をつけて撮影します。

一般3次元位置・寸法測定
3次元穴測定
ロボットティーチング 例:ティーチング位置を画像上で教授できます。
遠距離測量
ビデオトラッキング
ズームレンズ使用

シングルビュー3D

デジタル(ビデオ)カメラ1台で三次元情報がリアルタイムに取得できる画期的なシステムです。複数のカメラを使う場合と比べて応用範囲が大幅に広がります。位置計測のほか、移動体のトラッキングや車間距離計測など用途も広範です。

測量 例:距離計測
位置計測 例1:静止画像による位置計測
例2:プローブ位置のトラッキング
例3:3点位置計測
例4:ペダルの位置
例5:移動体の位置計測
例6:カメラGPS
例7:ロボット
例8:製品の識別・ハンドリング
例9:VideoTracker
セキュリティー 例:特徴点の認識
スポーツ・娯楽 例1:跳ねるボールのトラッキング
例2:パスボールのトラッキング
例3:ゴルフパットの位置計測

レーザーバージョン(シングルビュー)

単眼カメラとレーザーをセットにした三次元計測システムです。レーザーが写った1枚の画像から、照射箇所の三次元位置情報や断面形状がわかります。

レーザートラッキング
路面レーザー計測
鉄筋径計測

レーザーバージョン(ツービュー)

レーザーとフォトカルク(ツービュー)を組み合わせた三次元計測システムです。レーザーが写った2枚の画像から、照射箇所の三次元位置情報や断面形状がわかります。

道路形状の計測

ツービューオート

2枚の画像で計算するツービューをベースにした製品です。対象物の写真をソフトウェアに読み込むと、マーカーの3次元座標を自動的に計算します。

3次元穴測定 例:耐震補強プレートの計測

フォトカルクプラス

2枚の画像で計算するツービューと、全自動でカラーテクスチャ付きの3次元モデルを作成する「iWitnessPRO」を組み合わせたソフトウェアです。
ターゲット不要の画期的な写真計測システムで、カメラ位置情報をツービューに取り込み、距離計測、作図を行います。写真を撮るだけでカメラ位置を計算し、点群データ、メッシュデータを出力します。

測量 例1:トンネル内部の計測
例2:ドローン撮影による距離計測

ツービューサーバー

業界初の画期的な3次元写真計測サーバーシステムです。クラウド上で計算を行う”サービス”をご利用いただくため、普段お使いのパソコンやスマホ、タブレット等にインストールされているWebブラウザがあれば、アプリのインストールは不要です。
2枚の画像で計測を行います。

測定精度

中心間ピッチの値をCMMとPhotoCalcとで比較しています。
カメラはNiconD80 1,020万画素を使用。

中心間ピッチの値CMM Interval 中心間ピッチの値PhotoCalc

製品仕様・その他

シングルビュー(1枚の画像から)

  • 二次元寸法測定(基本モジュール)
  • 面測定ベースの三次元寸法測定(基本)
  • 斜めから撮影した画像の正面化(基本)
  • 穴抽出、穴径、穴間ピッチ測定(追加オプション)
  • RC造における鉄筋径、鉄筋径ピッチ測定(追加オプション)

ツービュー(2枚の画像から)

  • 三次元寸法測定(基本モジュール)
  • 三次元座標値の出力(基本)
  • 穴抽出、穴径、穴間ピッチ測定(追加オプション)
  • 基準プレートの替わりに既知の基準点を使ってカメラ位置を算出し、測定(追加オプション)

≪その他≫

  • 基準プレートは別途購入していただく必要があります。
  • 精度良く測定するためにはカメラに付随するレンズ固有の内部パラメータ(レンズ歪み、主点位置のズレ等)を求める必要があります。
    お使いのカメラをお預け頂いて弊社でカメラパラメータを求めて提供(有償)させていただくこともできますが、 キャリブレーション専用ソフトを使えばあらゆるカメラの内部パラメータを算出することが可能になります。
  • 測定対象が非常に大きな場合は通常の基準プレートを使用した方法ではなく、他の基準を設けたり、別の方法を使ってカメラ位置の算出を行う必要があります。ご相談下さい。
  • シングルビューでの三次元寸法測定は全ての位置/方向に対して測定を行うことはできません。