当社は、写真計測ソフトウェア、 PhotoCalc を提供していますが、一般的な写真計測において 計測精度に影響を与える因子について説明したいと思います ので、 少し極端な例ですがご参考にしてください 。
以下の写真は、一眼レフカメラとスマホのカメラでPhotoCalc TwoView (写真2枚で3次元計測が出来る)ソフトを使って、2画像計測を行った結果です。
画像上部の点P1,P2のスケールによる実測値は、1 300mm でした。
図1:3500万画素 一眼レフ 一眼レフ カメラ 7360×4912 画素 焦点距離 36.4751mm
図2: 1 200 万画素スマホ カメラ: スマホ 4608×3456 画素 焦点距離 3.6467mm
1.レンズ歪
テレビ画面や魚眼カメラを見ると解るように撮影画像は、レンズを通して投影されたときに、歪みが生じます。
この歪みを除去しておかないと、寸法計測は出来ませんので、事前に校正作業を行ってソフト上で歪みを修正するようにします。 歪の量は、専用のソフトウェアで計算します。
精度良くレンズ歪の補正が出来たかどうかは、スケールバー(精密寸法の棒)の長さを写真測定するなどして検証できます。
2.カメラの画像数
画素数が多いと精度は上がります。
例えば、1mの長さ の同じものを 1000 ピクセルで表示するのと 2000 ピクセル で表示する場合は、片方は1ピクセル場合は、片方は1ピクセル1mm1mm、もう片方は1ピクセル、もう片方は1ピクセル0.5mm0.5mmの表示になります。の表示になります。従ってもう片方のほうが、細かい表示になります。
3.レンズの焦点距離
レンズの焦点距離が大きくなると、遠方のものがはっきり見えます。
但しその分、視野範囲は小さくなります。
焦点距離が倍になると、画像が倍の大きさになるので、精度も倍になります。画像が倍の大きさになるので、精度も倍になります。
4.基準寸法
写真計測は縮尺によって寸法が決まります。
PhotoCalc では基準寸法を与える校正プレートを画像に一緒に写し込むことで、座標の計算を行い、寸法計測を行います。基準寸法は大きいほうが精度は上がります。
上記の要因による誤差の原因を考えてみると、
① 一眼レフの補正はスマホのほうが一眼レフより精度が劣る
② 画素数は、一眼レフがスマホの約2倍
③ 焦点距離は、一眼レフがスマホの10倍
④ 校正プレートサイズは、大きいほど良い
計測精度は、1眼レフの場合は通常1/5000-1/10000位の精度ですので、誤差は0.35mmより小さいと想定されます。スマホでの誤差が3.0mmでしたので、10倍以上の誤差のあることが考えられます。
このように、スマートフォンのように、焦点距離の短いレンズのカメラを写真計測に用いるときは、精度が劣化する可能性がありますので、目的に応じた使い方をする必要があるといえます。一般的には、焦点距離が4mm未満のカメラは写真計測には不向きのようです。